積極性

競馬は前に言った方が圧倒的に優位だ。サンデー時代は「ダートでは」とついたかもしれないが、今では芝でもダートでも圧倒的に前が有利。まあレースなんだから前につけるほうが優位に立つのは逆より圧倒的に分かりやすい。サンデー時代が終わって武が不振だというのは周りが散々言っているし、ここではそういう話ではない。
先に行われた天皇賞(春)では岩田の駆るアドマイヤジュピタが勝利したわけだが、出遅れなければHペースに巻き込まれて自滅して惨敗はともかく勝利はしていなかったと思う。出遅れてHペースに巻き込まれず、さらに天皇賞マイスター武をマークできたのが大きいと思う。
ただ、これは別に岩田の運がよいだけだとは思わない。岩田はいつでも強気に仕掛ける。サンデー無き今、その強気の競馬が勝利の女神が微笑むのだと思う。Aジュピタは出遅れていなければ勝ててないと言ったが、岩田でなければ*1勝てなかったとも思う。Aムーンもそう。岩田でなければ宝塚もJCも勝っていないと思う。もちろん両馬とも強い。だが、やはり相手の出方を待つことなく強気な競馬をしたから勝てたのだと思う。馬任せのカツハルがなかなかG1を勝てない理由と岩田がG1を勝つ理由はここにある*2
そういえば皐月賞は積極性が明暗をわけた典型的なレースだった。勝負にいったキャプテントゥーレ&川田が勝ち、出方を待って消極的な競馬をしたマイネルチャールズ&松岡が負けた。天皇賞の舞台では、メイショウサムソンとAジュピタ、現時点どちらが強いのかにわかに判断がつかないが*3皐月賞の舞台でキャプテントゥーレマイネルチャールズの比較はマイネルチャールズが断然上だ*4。断然上だがサンデーではないゆえに仕掛けが遅れれば勝てない。まあ、松岡の馬は一番人気だからそんなに早仕掛けできなかったという意見は一見もっともだろう、だが、そんな理由で仕掛けが遅れるのを見過ごせば、今後一番人気は飛びまくる。そもそもマイネルチャールズを一番人気にしたのは松岡だ。皐月賞一戦だけではなく前哨戦も含めて考えれば弥生賞で普通に勝つ競馬なんてする必要はなかった。厳しいラップで引っ張るとか脚を測るとか*5できたはず。まあマイネルチャールズ皐月賞を獲れなかった理由は最早いいんだけれど。
これからのG1では*6はきっちり勝負どころで仕掛けられる騎手、それにすばやく反応できてしっかり伸びる馬*7を狙いたい。
ちなみに、武は不振不振といわれているが、天皇賞春ではきっちり勝ち負けした。条件戦では未だに溜めすぎるシーンも見受けられるが大レースではきっちり仕事をする男だ。2008/04/26のオーストラリアTのように素晴らしい騎乗もある。もともとデビュー当初は先行ばかりで追えないといわれていたくらいで先行はうまいし、天才はそのうち勘を取り戻すと思う。というか、こんだけ勝っていて、「乗れていない」とか「流れがきていない」といわれるのは、スーパースターの宿命だと思うけど、ちょっとかわいそうになる。

ちなみに俺は武のファンでも岩田のファンでもない。
岩田をベタ褒めしてばかりで、こんな事言っても説得力に欠けるどうかと思うので一言いっておくと、岩田は気性難の馬に乗せると下手。フィフティーワナーとかね。

*1:正確に言うならば岩田のように強気な競馬が出来ない騎手では

*2:カツハルはサンデー時代から馬任せすぎてG1勝てなかったけどね

*3:勝者が上に決まっているという論理はおいておいて

*4:キャプテントゥーレは名マイラーになれるかもしれないくらいマイルでは素質がある馬だと思う

*5:まあ下手に脚を測っては降ろされる危険性があるので引っ張ってちょい負けが妥当な線か

*6:条件戦ではそもそも馬の力が違ってきたりするので仕掛けのタイミングはそれほど重要ではない、まあG1でもありえる話ではあるけれど

*7:飛ばなくていい、周りも飛べないから